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へ ガクアジサイ (ユキノシタ科アジサイ属)アジサイ科（Hydrangeaceae） P173 学名：「ガクアジサイ」と「アジサイ」の主要な変遷は本頁のここ |
| 上の赤字はマバリーの分類体系、2008（『植物分類表』大場秀章、㈱アポック社による | |||||||||||||||||||||||||||||
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| アジサイの仲間： 高尾山稜で撮影したヤマアジサイを除いて、他は植栽。 | ||
 ガクアジサ：周囲を装飾花が額縁のように囲んでおり、その中に多数の花がある。上写真では雄しべが目立つ。区内で撮影：2011/06/19 |
 ヤマアジサイ: Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata 高尾山稜で 撮影：2012/07/05 |
 アジサイ（ホンアジサイ） すべて装飾花。 区内で撮影：2012/06/17 |
 ガクアジサ：色は様々。 区内で撮影：2013/06/13 |
 アジサイ（装飾花も咲くことがある）区内で撮影：2013/06/13 |
 アジサイ(装飾花） 区内で撮影：2013/06/13 |
 雨の日のガクアジサイ アジサイは雨の日に見ると色が鮮やか。撮影：2009/06/14・鳥川豊氏 |
 白いガクアジサイ：古くから様々に改良された園芸品種がある。撮影：2009/06/16・鳥川 豊氏 |
 冬芽 裸芽 奥多摩で撮影：2014/01/06 |
| 花粉を集めるアブの仲間 | ||
 ホソヒラタアブ 区内で撮影：2011/06/10 |
 フタスジヒラタアブ 撮影：2005/06/11・高久晴子氏 |
 クロヒラタアブ 撮影：2003/06/01・高久晴子氏 |
| 学名：「ガクアジサイ」と「アジサイ」の主要な変遷 NEW 本件の学名は外部勉強会で話題になり、情報を集めたものです。本件は比較的情報が得やすかったので、その資料をまとめたものです。おかしい点がありましたら、ご指摘下さい。 |
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| 「ガクアジサイ」と「アジサイ」の標準学名は「BG Plants 和名-学名インデックス」（YList）による 下記載の学名の「取り消し線」： 後の調査・研究などで異名（Synonym シノニム）となった。 登録年： 一部 International Plant Name Index による |
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| 年 | 学名 | 内容 |
| 1) 1753 |
Hydrangea L. | 「アジサイ」：属名記載：命名者：リンネ Hydrangea arborescens L.（アメリカノリノキ）で属を記載。 |
| 2) 1784 |
「アジサイ」：ガマズミ属で記載：命名者：★ツンベルグ。この学名は後に「アジサイ属」へ転属されるも「アジサイ」を登録したツンベルグの学名が一番早いので「先取権」があった。転属の場合、種形容語は不変で、「原著者を（ ）で包み、その後に新しい組合せをした人の名を書く」(*2：P36)。下の4）の学名を参照。 | |
| 3) 1829 |
「ガクアジサイ」：アジサイ属で記載：命名者：★シーボルト。 後に下6)記載がされ、シノニムに。 |
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| 4) 1830 |
Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. | 「アジサイ」：学名を整理・移動：命名者：フランスのNicolas Seringe。ガマズミ属→アジサイ属へ転属。また、別の学名を持つ同一種を本左列の学名に統一。また、「Viburnum」 は中性名詞で種形容語も中性名詞の「macrophyllum」だったが、「Hydrangea」は女性名詞で、それに合わせて 「macrophylla」に変更。 |
| 5) 1839 |
「アジサイ」：命名者：シーボルトとツッカリーニ。この時点ではすでに「アジサイ」は記載されていたが、それを知らずか（?）「お滝さん」に因んで登録。後に下6-2)の学名が正名となり、本学名は異名に | |
| 6-1) 1923 |
Hydrangea macrophylla |
「ガクアジサイ」： 命名者：★ ウイルソン。「ガクアジサイ」は「アジサイ」 の変種として記載。 「normalis」とは「正規の」の意味がある。後に下7-2)の学名が正名となり、本学名は異名に。 |
| 6-2) 1923 |
Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. |
「アジサイ」： 上述6-1）で「ガクアジサイ」は「アジサイ」 の変種として記載されたので、自動名（本頁下部「ことば」を参照）が発生し、母種である「アジサイ」の学名は自動的に本枠左列の学名に変更された。 |
| 7-1） 1955 |
Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. f. normalis (E.H.Wilson) H.Hara | 「ガクアジサイ」： 命名者： ★ 原寛。「ガクアジサイ」は「アジサイ」 の品種として記載。 |
| 7-2） 1955 |
Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser.f. macrophylla | 「アジサイ」： 上述7-1）で「ガクアジサイ」は「アジサイ」 の品種として記載されたので、自動名（本頁下部「ことば」を参照）が発生し、学名は自動的に本枠左列の学名に変更された。 |
| 学名 「ガクアジサイ」と「アジサイ」難しいのはなぜ？ | |||
| 1. | 種として見ると 「ガクアジサイ」と「アジサイ」の関係 |
「アジサイ」：「原種は日本に自生するガクアジサイ H. macrophylla f. normalis である」（wiki）。 「アジサイ」：「日本原産のガクアジサイの品種だが、自生しているという説もあり、起源ははっきりしない。他のアジサイとの区別のためホンアジサイとも呼ばれる」（wiki）。「「アジサイ」は「ガクアジサイ」からつくられた園芸品種」（*1) |
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| 2 | 学名で見ると：上述6-1の例では 「ガクアジサイ」は「アジサイ」 の変種 |
1）上段の「1」がジャマしてこの変種の扱いを難しくしている。2）「アジサイ」と「ガクアジサイ」が別種であった時代までは学名の変遷も理解できる（上記載の「5)」まで）。ところが E.H.Wilson が 下位の分類を主張してから理解の難度を上げた。3）E.H.Wilson が「同一種内に二つ以上の変種がある」学名を主張をした。広義の種としての「アジサイ」（「ガクアジサイ」などを含む）と、狭義としての「ガクアジサイ」、「アジサイ」という三名法による学名の見方を主張。4) ここで重要なのは、学名は「植物学名命名規約」に従っている。詰まり「アジサイ」が先に登録されているので「アジサイ」に「先取権」がある。だから 「ガクアジサイ」は「アジサイ」 の変種ということになり、それを示す macrophylla (Thunb.) がE.H.Wilson の学名に残った。「植物学名命名規約」に従った学名の難しさを予想したのか(？)、E.H.Wilson は「ガクアジサイ」の学名に「normalis」（正規の）という言葉を残した。 |
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| 3 | 遺伝子？で見ると(上述7-1）は 品種とは「個体群のうちの個体に現われる些細な変異に用いる」（下「関連のことば」参照）。 var. → f. に変更した根拠て何？ |
見た目には 「ガクアジサイ」は多数の両性花の周囲を装飾花が額のように囲んでいる。
一方「アジサイ」はすべて装飾花で、二つの間には大きな見た目の違いがある。 これを、「些細な変異」 というのはどういうことなのだろうか？外身は違っても中身は「些細」で、遺伝的には「些細」ということか？現に「「アジサイ」は「ガクアジサイ」からつくられた園芸品種」とも言われているので。。。原寛氏の原記載文献を見ないとそこは分からない。下段の「ヤマアジサイ」にあるように、DNA分析が進んでいる様子。今後、種より下位のレベルまで進んだDNA分析による学名の変更があるかもしれない。 |
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| 参考HP：「ヤマアジサイ」、川島榮生 にアジサイのDNA関連情報がある | |||
| アジサイの学名：関連のことば NEW 本HPのアジサイの学名情報は、初心者が学名とはどんなものかを知る範囲内で学んだ情報です。 |
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 命名の先取権： *2：P17「学名は・・・上記載規約（植物学名命名規約）に適合した有効名である限り先取権(Priority)が認められており、規定に合うよう公表された最も古い学名が正名（correct name)となる。 自動名： *2：P38「種内に二つ以上の亜種、変種などがある場合：」。以下「アジサイ」を例として記すと： Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. ｆ. macrophylla （アジサイの「BGpalntｓ」の標準名では）。単にHydrangea macrophylla と記すと広義のアジサイ属の植物の一部の総称種としてガクアジサイなどを含む全体を指すことになり得る。従って、狭義の品種レベルの「アジサイ」（ホンアジサイ）だけを指す場合には種形容語を繰り返して記す。この作業は機械的に出来るので、品種名の後ろに命名者(author name)を付けない。これを自動名(autonym)という。 「種」以下の分類： *2：P51・変種：var. ←varietas： 「前に命名された方を基に、新しく命名された方をその変種とする。変種に対し、その名の基になった植物の方を”基本種”または”母種”と呼ぶ」。 ・亜種：ssp./subsp. ←subspecies： 「別種とするほどではないが、変種の場合よりも違いが目立ち、特に分布区域のズレがはっきりしていることを重視するときに用いる分類段階である」。 ・品種：f. ← forma： 「個体群のうちの個体に現われる些細な変異に用いる」。 |
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| 参考図書： *2： 『植物の学名を読み解く』田中 學、朝日新聞社、2007 *3： HP：「日本植物誌」、京都大学電子図書館：http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/b01/b01cont.html *4：『コリン・マレー（Crinne Mallet）アジサイ図鑑』大場秀章/太田哲英訳、㈱アボック、2009、P239-243 「アジサイ属の研究小史」 *5：『原色日本植物図鑑木本編II』P114-115、北村四郎・村田源、㈱保育社、1979 APG分類体系でのアジサイ科についての情報 *6： PDF：「最近のアジサイの分類」大場秀章、2005 *7： HP：「あじさいの系統と分布」 |
 ガクアジサイの樹名プレート 区内で撮影：2013/05/21 |
 アジサイ（ホンアジサイ） Hydrangea Otaksa Sieb. et Zucc. は現在 Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. f. macrophylla ©京都大学電子図書館 |
 セイヨウアジサイの樹名プレート： アジサイが欧州で改良され、日本へ 逆輸入したのがセイヨウアジサイ とも呼ばれる（ウィッキペディア「アジサイ」）。（*1:P46 では f. hortensia ） 区内で撮影：2014/06/08 |
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